経理や簿記、金融、経済、マーケティングなど、一見プログラミングと関係無さそうな分野ほど良いと思います。イラストが描けるということでも素晴らしいです。
よく「私は文系なので・・・」というふうに、「文系」と「理系」を区別して言いますよね。
プログラミングは、理系に有利と思われていますが、実は文系に有利な分野もあります。
理系は技術的なことが好きだし、パソコンのような機械を扱うことに抵抗がありません。むしろ得意です。また数学や物理が得意な人も多いです。
仮説、実験、検証といった、論理的に考えることにも慣れています。
そのため理系の人は、比較的プログラミングを習得するのが速いです。制御系やOS、ゲームなど、高度なプログラムを作成するのにも向いています。
しかしプログラミング言語は「道具」なので、それだけではあまり意味がありません。
何かと組み合わせて初めて力を発揮します。
例えば、業務システムを作る場合は、プログラミングに関する知識以外にも、業務に関する知識が必要です。
経理ソフトを作るには、簿記の知識が必要になるので、簿記の資格を持っていると、それだけで有利です。
商業高校などでは、簿記の資格を取る人が多いので、業務に関する知識は、身に付けやすいのです。
それに対し、簿記の知識が無いプログラマーは、プログラミング以外の部分で苦労します。
そもそも業務システムの場合は、会社の「業務」をコンピューターでシステム化したものです。したがって事務系の人は、既に業務に関する知識は持っていることになります。
あとはプログラミングの知識を習得すれば、システムを開発することができます。
つまり文系に有利な分野もあるということです。
また、銀行や証券会社のシステムを作るなら、金融の知識が必要です。銀行と証券会社では、もちろん業務が異なります。
同じ業界でも、会社によってやり方が異なるので、業務に関して学ばなければならないことが、たくさんあります。
私は官公庁向けの業務システムを、いくつか手がけた経験がありますが、民間の会社とは異なる独特な業務が多いです。
民間企業の業務は利益を得るための活動ですが、役所の業務は予算を消化する(使う)活動が多いからです。
そのため、まずは業務を理解し、分析することからスタートしました。
システム開発を終えた頃には、すっかり業務も覚え、担当者と専門用語で会話できるようになりました。
このように、業務システムの開発では、プログラミング以外の知識がとても大事になります。
そのため、IT転職や就職をする際には、これまでに何を経験してきたかとか、広範囲の知識がある求職者のほうが、有利だといえます。
採用する側も、その辺をチェックしています。
【補足】
「業務」と「プログラミング」の両方に詳しい人が理想的ですが、そういった人はなかなかいません。
そこで、通常は以下のように歩み寄ります。
・プログラミングに詳しい人が、業務を学ぶ
・業務に詳しい人が、プログラミングを学ぶ
一般的なプログラマーの場合は前者です。でも最近は後者も増えていて、自社開発するためにプログラミングを学ぶ人も多いです。