いわゆる「雇用のミスマッチ」という問題です。
ミスマッチとは、適合しないことです。
求人側である企業が、人材を募集しても、求職者の応募が少なかったり、求めているスキルを持っている人が集まらないため、採用できないことがあります。
これが雇用のミスマッチです。職種や経験、能力、年齢などの差が原因と言われています。
求人と求職者で、職種が合わないことがよくあります。
事務系の職種は、求人に対して求職者がかなり多いです。逆にプログラマーやシステムエンジニアなどの専門職は、比較的少ない傾向があります。
専門職系では、求人票の「必要な経験等」という項目に、「経験者」と書かれていることが多いからです。もちろん未経験者でも可能なこともありますが。
したがって経験者の場合は、経験や能力はあるので、同業種からの転職はしやすいことになります。でも今度は年齢の問題が出てきます。
未経験者の場合は、「自分にはスキルがないから」と、応募する前にあきらめてしまう人が多いようです。
首都圏や大きな都市では、大学や専門学校が多いので、教育が充実しています。そのため、スキルや能力を満たしている求職者も集まりやすいです。
しかし地方では、専門職系の求職者が集まり難いという現状があります。
例えば、以前に某IT関連企業が、地方で100~200名のプログラマーを募集しましたが、実際に採用できたのは、数十人だったようです。
応募自体が少なく、条件に合う人材も少なかったようです。せっかく仕事があるのに、残念なことです。
私は地方のハローワークの業務システムを開発した経験があり、今でも年に何度かメンテナンスで訪ねることがあります。
その時に、ハローワークの担当者と話す機会があるのですが、やはり雇用のミスマッチの問題は深刻なようです。
私:「あの会社の求人票、数年前からずっと出ていませんか?」
担当者:「そうなんだよね。でも応募者がほとんどいないんだ。」
担当者:「この辺では、スキルを満たしている求職者がなかなかいなくて・・・」
他にもITやコンピュータ関連の仕事はあるようですが、企業が求めるスキルを持っている人が少ないのが、ミスマッチの原因です。
今ではハローワークでも職業訓練の募集をしているので、求職者が知識を身に付ける環境は整いつつあります。
しかし最近の企業は、不況により採用人数を減らし、そのかわりに即戦力となる人材を求めています。
そのため、未経験者でも、即戦力としてすぐに仕事で使えるまで、スキルアップしてくれる教育機関が必要かもしれません。